定年まで10年を過ぎ何をすべきか?_第五回 個人型確定拠出年金(iDeCo)

第一回から第四回までは、今後の働き方を中心として書いてきましたが、第5回の今回は減る収入を以下に少なくするかについて、iDeCo(イデコ)個人型確定拠出年金についてお話します。

 

iDeCoの一番の注目点は、自分の財産を預けながら所得税・住民税の軽減が受けられることです。

将来子供達が旅立っていき扶養家族としての減税部分(38万)がなくなります? しかし50代以上では役職定年を迎え給料は上がらず、控除額が減る=手取り額が減少することを意味しとります。少しでも止めるべき手段を考えた結果、iDeCoにたどり着きました。

 

確定拠出年金とは

 

確定拠出念院には個人型と企業型の二種類があります。

ここで説明するのはiDeCo(イデコ)の愛称で呼ばれている個人型の確定拠出年金です。個人型は加入者が自らの責任において年金資産の拠出・運用を行っていきます。

月々5,000円からスタートでき(以降1,000円きざみ)、60歳以上になった時に受け取ることができます。(後で説明しますが原則途中解約等は出来ない制度です。)

 

iDeCoの税制優遇

iDeCoでは3つの税制制度(優遇)を受けることができます。

 

毎月収める掛け金全額が所得控除の対象となります。

私が一番に目を付けたのがこの優遇制度です。掛金に対して所得税と住民税の軽減を受ける事が出来ます。

 

(例)毎月20,000円の掛け金を積み立てした場合、1年での掛金は240,000円となります。

 

  • 所得税の控除額(法定税率を20%として計算)は

① 240,000×20%=49,000円

  • 住民税の控除額(法定税率を10%として計算)は

② 240,000×10%=24,000円

  • 年間の控除額合計

①+②=73,000円が減税の対象となります。

  • 50歳から60歳定年まで10年間掛けた場合、

73,000円×10年=73万円が控除される計算となります。

 

※ 法定税率は仮想の値です計算しておりますので、実際の控除額と異なりますので注意してください。

 

2.分配金などの運用利益が非課税

iDeCoでは資産(掛金)を株式等で運用し資産を増やす事となります。そして増えた利益については通常株式運用(NISA以外)で利益が生じた場合約20%が課税されますが、iDeCoの株式運用ではこの20%課税が非課税となります。

 

3.受取時は一定額まで非課税

60歳を過ぎての受取方法により「退職所得控除(一時金での受取)」「公的年金等控除(年金での受取)」の優遇が受けられます。

 

(1) 他の退職所得と合算して一時金の受取(退職所得控除 2021年3月現在)

① 勤続20年以下:40万×勤続年数

(例)勤続19年 40万×19年=760万円までが非課税

② 勤続20年以上:800万+70万×(勤続年数ー20年)

(例)勤続30年 800万+70万×(30年-20年)=1500万円までが非課税

(2) 60歳または65歳から年金として受け取り(公的年金等控除 2021年3月現在)

① 60歳で受け取り:公的年金と合算して60万円まで非課税

② 65歳で受け取り:公的年金と合算して110万円まで非課税

 

(3) 一部を一時金で残りを分割で受け取り(退職所得控除+公的年金等控除)

 

iDeCoの制限

 

1.原則、途中解約はできません

iDeCoは原則、60歳になるまでは解約できません。

 

2.掛け金には上限があります

一般的なサラリーマンでは、月々の掛金の最高額は23,000円までとなっております。

※ 職業・収入・企業での年金制度等で条件は変わりますので、専門サイト等でご確認してください。

 

3.手数料が運用利益を上回る場合があります

iDeCoに加入するには、初回手数料として2,829円。また掛金納付の都度安いところでも手数料が105円生じます。(掛金納付の手数料は利用する銀行等で異なります)

 

50歳から60歳まで10年掛けた場合の手数料は、2829円+(120ヶ月×105円=12,600円)の合計15,429円が最低でも生じます。

 

このため運用方法によっては、預けている金額の運用利益よりも高くなる可能性が生じます。

 

まとめ

 

以上の優遇措置や制限がありますが、自分の資産を預けて所得控除が受けられるのは魅力ですね。皆さんも検討してみてはいかがでしょうか?


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